大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2993 判決

主 文

本件上告を棄却する

理 由

弁護人黒川新作の上告趣意は、末尾に添えた書面記載のとおりである。

上告趣意第一点について。

記録を調べてみると、第一審裁判所は、昭和二三年九月八日の公判において所論

AおよびBの両名を証人として訊問していることが明らかである。それゆえ、被告

人に対してはすでにこれらの証人を公判期日において訊問する機会を与えているの

であるから、原審が前記両名の証人訊問申請を却下しながらこれら両名に対する検

事の聴取書を証拠に採用しても刑訴応急措置法第一二条に違反するものではない(

昭和二四年(れ)第一三五八号同年八月二日当裁判所第三小法廷判決、昭和二三年

(れ)第一七一八号同二四年三月三一日当裁判所第一小法廷判決)。また、第三者

の供述を証拠とするにはその者を公判において証人として必ず訊問しなければなら

ないものではなく、公判廷外における聴取書をもつて証人に代えることを憲法第三

七条は許さないものではないことについても当裁判所の判例とするところである(

昭和二三年(れ)第一六七号同年七月一九日大法廷判決)。されば、原判決には所

論のような違法はないので論旨は理由がない。

同第二点について。

原判決の所論の個所には「…………金五千円を借受け右Cの為めこれを保管中…

…………」と明記されてあり、被告人が保管していたのは右五千円であることが明

らかに判るのであるから原判決には所論のような理由不備の違法はない。

同第三点について。

刑訴応急措置法第二〇条および第二一条は、旧刑訴法によつて認められている検

察官の附帯控訴に関する規定を廃止したものではないので所論は理由がない。

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よつて、本件上告を理由ないものと認め、旧刑訴法第四四六条に従い、主文のと

おり判決する。

以上は、当小法廷裁判官の一致した意見である。

検察官 堀忠嗣関与

昭和二五年五月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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